(写真は1950年代頃のガーナームイ / 提供:上原正徳さん(協力:高良広輝さん)
奥武山公園の向かい、那覇市鏡原町にある緑の小丘『ガーナー森(ムイ)』。戦前までは漫湖に浮かぶ小島の一つでした。
かつては景色の美しい景勝地だった
漫湖に浮かぶガーナー森(ムイ)は、琉球王朝時代には、中国から来た冊封使たちはその形から「鶴頭山」と呼び、その美しさを称賛しました。そして同じく小島であった奥武山からガーナー森(ムイ)にかけての景色は、名勝中山八景の一つ「龍洞松濤(りゅうどうしょうとう)」としても知られ、戦前までは景色の美しい場所だったのです。
戦後、1950年代に鏡原町建設のため漫湖の一部(国場川河口)が埋立てられ、ガーナー森(ムイ)は地続きの小丘となりました。
ガーナー森(ムイ)の名前の由来は、たんこぶ(ガーナー)のようだからとか、ガチョウがガーガー鳴いていたからなど諸説あるようです。また、ぽっかりと浮かぶ姿からクジラ山とも呼ばれていたようです。
絵本にも!語り継がれるガーナー森(ムイ)の ”マジムン” 伝説
ガーナー森(ムイ)にまつわる昔話は数多くあり、絵本や『うるくぬんかしばなし』にも登場しています。
※絵本と『うるくぬんかしばなし』は『うるく文庫』(うるくローカルプレス事務所内|那覇市宇栄原)にも置いていますので、興味のある方はぜひ読みにいらしてください
ガーナー森(ムイ)にまつわる昔話はこのような物語です。
真玉橋と根差部には今でもそのシーサーが残っていてガーナー森(ムイ)の方向へ睨みを利かせ地域を守っています。
ガーナー森(ムイ)にまつわる昔話は諸説ありますが、埋立て前の ガーナー森(ムイ)の写真を見ると、多くの物語に共通する”悪さをするガーナーに神様が落とした3つの石” らしきものが写っています。
現在は那覇市指定の天然記念物
今も小島だった頃と変わらず緑豊かなガーナー森(ムイ)は、ナハキハギの群生する最北の地として那覇市指定の天然記念物となっています。住宅などの建物に囲まれながらも、都会のオアシスのようにここだけぽっこりと緑が茂り、鳥がさえずっています。
実は小さな道があり、登ることが出来ます。
道は人ひとり通れる程度の狭さで、結構な急勾配です。手すりロープがありますが整備はされていないので自己責任でご注意を。必ず大人と一緒に登りましょう。
ただ、その狭い道と勾配加減が、なんだかクジラのようなガーナーの背中に思えてきて、頂上まで登ると、ガーナーの頭に乗ってかつての漫湖を眺めているような、そんな気分を味わうことができました。(木が茂っているので景色は見えませんが…)
頂上には『ガーナー森御嶽神』と
仁天屋船或久姫神(じんてんやぶねひくひめのかみ)の石碑があります。
動画でもぜひご覧ください
【ガーナー森(ムイ)】
那覇市鏡原町10
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